荼毘

陽が落ちてからは他家の軒下で眠り、陽があるうちは戻って鉢の隣の自室で座ってみることにした。
三度目の昼、この勤めでは狎れるより骸が砕けるほうが早い、と思えた。そこで、女の室に入り、箪笥から女の着ていたものを幾抱えも出し、鉢の室に運び入れて骸に何重にも被せ、その上からじっと見下ろしてみた。死んだままの骸がある鉢の隣にじっと座るより、自分の手で衣を被せた亡骸をすぐ隣にじっと見るほうが、怖ろしさは弱まった。
やがて、このまま燃せば済むのだと気が付いた。床も柱も壁も屋根も斧割るまでもなく薪になる。この鉢は洗えず川にも流せぬが、鉢ごと燃せるのだった。